ひょうたんを山積みにした車(マリ共和国セグーにて)
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〜ひょうたん〜
ひょうたんはウリ科ユウガオ属の植物であり西アフリカが原産地と考えられている。非常に古くから世界中で栽培され、最古の栽培植物の一つと考えられている。ひょうたんの実の形は実に様々であり、長さ2mに達するものや、直径が50cmを越すような大きなものもある。実の外皮は乾燥させると堅くなりため、中の軟部を取り除いて乾燥させたひょうたんの実は、軽量かつそれなりの強度を持つ容器として古来世界各地で重宝に使われてきた。
アフリカでもまたさまざまな形・大きさのひょうたんが様々な用途に広く使われている。アフリカ文化を代表する植物を一つあげるとしたら、ひょうたんを選ぶ人が多いのではないだろうか。サハラ以南のアフリカのほぼ全域で栽培、加工、使用され、日常の容器から威信財としての容器、宗教儀式に使う容れ物、楽器、時には衣服にいたるまでの幅広い用途で用いられるひょうたんはアフリカの人々の暮らしの中に、信仰の中に深く根付いていて、アフリカ文化の中で非常に重要な役割を果たしている。
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〜ひょうたんの用途〜
アフリカで使われているひょうたんの(伝統社会の中での)主な用途として次のようなものが挙げられる。
・容器(食関連) |
ひょうたんの用途は様々であるがアフリカでは(他地域でもそうだと思うが)圧倒的に容器としての使用が多い。容器としての使用目的もやはり食にかかわる用途のものが圧倒的多数を占める。液体(水、ミルク、油、酒など)を入れるための容器。穀物などを入れるための容器。食器としてのひょうたんなどなど...
現在は安価・軽量で壊れにくい金属性・樹脂製の容器が大量に出回っているが、伝統的な瓢箪の容器もまだまだ様々な場面で活躍している。(都市部では)食器としてひょうたんを使用する機会は少なくなってきているが市場での食料品の展示・保管、家庭での炊事用などにはまだこれらの伝統的な瓢箪の容器が好まれ、ヒビの入った瓢箪も竹ヒゴなどでつくろって大事に使い続ける。
私の狭い見聞の範囲ではあるが都市部でも瓢箪を食器として使用する例としてはやし酒や雑穀ビールなどの伝統的な酒類を飲むときが挙げられる。これらの酒は丸瓢箪を二つ割りにしたボウル状の容器で飲むことが多い。
また家庭の食をつかさどるのは一家の主婦の役目であリ、容器としてのひょうたんを用いるのは主に女性である。このことからひょうたんはアフリカの伝統的社会の中で主婦権の象徴とみなされることも多く、嫁入り道具としてひょうたんが用いられる社会が多く存在する。ブルキナファソのカセナ人の主婦はつや光りするまで磨き上げた大小さまざまなひょうたんを柱状に積み上げたザノと呼ばれるものを持ち、主婦権の象徴としている。またひょうたんの中空状の構造は子宮を連想させるため、同じように中空状の構造を持つ壺と共に母性・女性性の象徴とみなされることも多い。
・丸瓢(球形) |
まん丸に近い形のものから、卵形、扁平なものまであり、半分に切ってボール型容器として使用することが多い。または上部に穴を開け、つぼ型容器としても使用する。半切りにしたひょうたん上部をそのままふたとして使用することもある。アフリカでは一番多く使用されているタイプのひょうたん。
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・瓢箪型 |
日本でも多く栽培、使用されているタイプのひょうたん。上部を切り取ったり穴を開けたりして、液体を入れるための容器として使用することが多い。胴がくびれた形をしていて、日本でひょうたんというとまずこのタイプのひょうたんを思い浮かべる。
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・胴長 |
瓢箪型ひょうたんの胴のくびれを長く引き伸ばしたような形をしている。アフリカでは瓢箪型のものよりもこっちのタイプのほうが多い。上部を切り取って液体を入れるための容器として使用することが多い。
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・首長(くびなが) |
下部が丸く膨らみ上に細長い首が伸びている、丸型フラスコのような形をしている。縦に割ってひしゃく、スプーンとして使用することが多く、アフリカでは丸瓢に次いで多く使われている。
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・円筒形 |
縦長の筒状の形をしている。上部を切り取ったり穴を開けたりして液体を入れる容器として使用することが多い。
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ひょうたんの容器は安価・軽量で壊れにくい金属製、プラスチック製の容器が大量に出回っている現在でも、市場、家庭など多くの場所でアフリカの人々に愛用され続けています
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・容器
(宗教関連) |
いわゆるひょうたん型のひょうたんに何らかの装飾を施す場合が多い。王や首長の威信財としての容器の場合ビーズ細工の装飾が施される場合が多い。
伝統的な医者(呪術師)が薬の容器として使用する場合もありその場合、木の栓に精巧な彫刻が施されたり、小さな彫像やその他の呪物をひょうたんの周りに巻き付ける事もある。
ひょうたん自体も呪術的な力を持つものと考えられる場合が多いので容器としてではなくひょうたん自体が呪物として用いられることもある。
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・容器(他) |
西アフリカの一部地域(ガーナ・トーゴ・ベナンなど)で丸瓢を二つ割りにしたふた付きの容器などが衣装箱・貴重品入れとして用いられる。
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・楽器 |
アフリカでは丸いもの、細長いもの、胴がくびれたいわゆるひょうたん型のものなどさまざまな形のひょうたんが栽培されているが共通しているのは中身(果肉部)を取り除いた後に残る硬い外皮と中空構造である。ひょうたんの持つ中空の構造は理想的な共鳴器としてさまざまな楽器に使われてきた。中でもコラとバラフォンは、アフリカ有数の音楽大国セネガルの国歌「Pincez tous vos koras, frappez les balafons/コラを弾き鳴らせ、バラフォンを打ち鳴らせ」に歌われているように、ドラム類に次いでアフリカを代表する楽器となっている。
詳細→ひょうたん楽器特集を見る>>
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・その他 |
一部地域で円筒型ひょうたんがペニスケースとして使用される。
パイプ(煙管)として使われることもある。
網の浮き(漁具)として使われることもある。 |
その他現代工芸ではひょうたんを材料にした人形・アクセサリー・ランプなど様々な土産品が作られている。
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〜ひょうたんの装飾〜
アフリカの文化の中で、アフリカの生活の中で、様々な場面、様々な用途で、様々な形のひょうたん(ひょうたん容器)が使用されている。ひょうたんを割ったり、切ったり、穴を開けたりしたまま何の装飾も施さずに使うことも多いが、多くの場合ひょうたんの表面には様々な装飾が施され、アフリカの人々の暮らしを彩っている。
・彩色 |
ひょうたんの表面に色を塗る。単色の場合が多いが複数の色を用いることもある。
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・線刻 |
小刀などでひょうたんの表面に文様を彫りこむ。刻み込まれる文様は幾何文様から絵画的な文様まで様々であり、民族ごとに独自の文様を持っていることも多い。
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・焼刻 |
熱した小刀などで焼印のようにしてひょうたんの表面に文様を刻み込む。文様の種類は幾何文様から絵画的な文様まで様々であり、民族ごとに独自の文様を持っていることも多い。
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・ビーズ装飾 |
極小ビーズ(シードビーズ)でひょうたんの表面に装飾を施す。ひょうたん全体をシードビーズ細工で覆い尽くしているものも多い。幾何文様や絵画的な文様がビーズ細工で描き出される。主に南、東アフリカで製作される。西アフリカではナイジェリア南部やカメルーンなどでおこなわれている (王侯貴族の威信財として用いられた)。
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・浮き彫り(こて絵) |
炭の粉などを練り固めたものでひょうたんの表面に紋様などを立体的に描く技法(日本のこて絵に似ている)。ガーナなどで行われている。
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アフリカにおける伝統的なひょうたん細工は概ね以上の技法のうちの一つか複数の組み合わせで行なわれる。現代工芸ではひょうたん表面への彩画なども行われる。
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〜民話・神話の中のひょうたん〜
ひょうたんの空洞が子宮を連想させるために女性とひょうたんを宗教的な象徴性の中で結び付けて考える伝統社会がアフリカには多く存在する。女性は子を産むことから、多くの社会で神秘的・魔術的な力があると考えられている。神秘的な力を持つ女性の象徴であるひょうたんにもやはり神秘的な力が宿ると考えられ、多くの民話でひょうたんが重要な役割を果たす(→参照「三つのひょうたん」)。
多くの社会の創世神話の中に、女性神または女性性を象徴するものが世界を生み出すという類型を見出すことができる。女性性の象徴であるひょうたんもまたアフリカの伝統社会の世界観の中で重要な役割を演じることがあり、ベナンのフォン人の神話では、宇宙は丸いひょうたんのような球状の空洞でありでありその中に大地が浮かんでいると言われている。フォン人はよく丸瓢を上下ふたつ割りにしてふた付き容器(→フォンのひょうたん容器を見る)として用いるが、上部の蓋が天を、下部の容れ物部分が地を、蓋と容れ物部分が触れ合う箇所は即ち天と地が触れ合う場所である水平線をあらわし、まさに彼らの宇宙観の象徴として、ひょうたんが用いられている。
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アンティーク
〜歳月にみがかれた色艶〜 |
ひょうたん容器
(伝統的容器)
〜暮らしに根ざしたかたち〜 |
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ひょうたん楽器
〜ひょうたんの奏でる音色〜 |
ひょうたん雑貨
(バッグ・人形・ランプカバー・容器・他)
〜ひょうたんの新しい可能性〜 |
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〜人々の暮らしに根ざしたアフリカのひょうたん工芸品の
数々をお楽しみ下さい。〜
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アフリカのひょうたん特集Uは2014年9月末日をもって終了しました
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